不死鳥の涙 ーリック・シンプソン物語ー 序章
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まえがき
この世界で今何が起こっているか、また、癌をはじめとする多くの病気の特効薬が、なぜ一向に現れないのか、この本を読んでいただければ、快刀乱麻を断つがごとく明らかになる。今から百年程前に、ロックフェラーやロスチャイルドのように、凄まじい財力と権力を持ち、それに飽き足らず、さらに大きな力を求めたとして、どうしたらその野望を達成できただろう。例えば政界や法曹界、医学界、教育界などに協力者がいれば、必要な計画を実行するのは簡単だ。このような社会的信用がある仕事に就いている者達が味方につけば、事実上成功したも同然だが、彼らを味方にするには、一体どうしたらいいだろうか?
世界中の国々で法律を制定したり、行政を運営したりしているのは、政治家等の権力者であり、最初にすべきことは、政治家達や政党、政府を計画に引き入れることだ。政治家達の懐に金を注ぎ込むこと、または、彼らの欲する物を約束できれば、彼らに自分達と同じ物の見方をさせることができる。政治的に強い立場にいる人間に鼻薬を効かせ、政党がこちらになびいて代弁者として働くようになれば、彼らは他を差し置いて、自分達に仕え続けてくれる。こうすれば、どのような政党が権力の座に着こうとも、絶えず地位の高い仲間を持つ事が出来るのだ。
過去に政府が、金持ちや権力者を喜ばせるためにやってきたことから明らかだが、一度国家権力が腐敗すると、もう後戻りができない。政府は臆面もなく、彼らの目標に沿って事を運び、必要に合わせて国のシステムを変えるために、最大の権力を振るう。酷い話に聞こえるだろうが、政治家が金持ちのお仲間を喜ばせるために、最善を尽くしてきた実態を見れば、これは疑いようのない事実である。昨今の政府が、自分達は一体誰のために存在するのかを全く気にしていないことは、火を見るより明らかだ。腐敗の結果として今日、我々の政府は陰に立つ経済的支配者によって、完全に奴隷化されているというのが現実なのだ。
さて、差し当たり政党と政府は味方につけたが、理性的人間から見れば、利益よりも損害を人々にもたらすことが明白な計画に、一般大衆の尊敬を集める専門家達を引き入れるにはどうしたらいいだろう?これは社会的信用のある地位に〝正しい〟物の見方をする人間達を就かせることで達成できる。報酬さえ得られれば、政府の望む事がどんなに非道なものであろうと、協力を惜しまないこういう人間達のことを、我々は「イエスマン」と呼ぶ。こういう性格の人間は他人に共感できず、自分のことしか頭にない。あなたやあなたの大切な人が苦しんでいても、彼らにとってはどうでもいいのだ。一方で、彼らは自分達が、普通の思いやりある人間だという印象を与えることに長けている。医学や法律などの専門的職業は、我々の社会では信用ある立場だが、悲しいかな賞賛に値する人間はなかなかいない。
自身の利権を守ろうとするときの人間と呼ばれる生き物が、どんなに酷い嘘つきで卑劣たり得るか、ほとんどの人は理解に苦しむ。どんなに多くの無辜の民に害悪を加えても、地位や収入を守ろうとするサイコパスと、この惑星に住んでいる大多数の人間とは、その振る舞いが少し異なる。自らが行う狂気の沙汰ともいえる治療法について、我々が信頼を寄せる医師達の一般的回答は「既定のガイドラインに従っている」または単純に「仕事をしているだけ」である。
其々の分野で支配的な専門家達が精査されれば、彼らがもたらしている害悪が白日の下に曝されることになる。しかしながら、例えそうだとしても、これらの分野で働く人達全員に、全ての責任があるわけではない。医学のような専門分野で働く者達には言い訳の余地もある。彼らが訓練を受ける教育機関は、大富豪達によって乗っ取られて久しいのだから。医学生達は、天然由来の効果的な治療薬等について教育される代わりに、富豪達の強力な友人によって、化学物質や毒物から製造された物質を〝薬〟として教えられる。このような医学は〝アロパシー(逆症療法)〟と呼ばれ、実際には人々を癒すように作られていない。この治癒に対する気狂いじみたアプローチは、世界中で数え切れない苦しみを生み出しているが、そこから生み出される利益が不足するということはない。高度に訓練された医学の専門家達は、この経済的支配者達によって作られてきたアロパシーによる医学的アプローチの狂気を再考すべきなのだが、医師達はほとんどの場合、患者を痛めつけることに幸せを感じているようにさえ見える。そして、それ以外に助けになるものはない、というフリを楽しんでいるかのようだ。
癌になった子供に大量の毒物を投与するとき、医学の専門分野で働く者達は、自分自身に何と言い訳するのだろう。医学的知識や倫理といった言葉を知らない人間でさえ、そんなことをしようとは夢にも思わないだろう。常識さえあればしないはずだ。にも拘わらず、医師達は依然としてこの〝治療〟を毎日提供し、良心の呵責で夜も寝られない、ということもない。暗澹たる成功率と、不合理な治療法がそのうち医師達を目覚めさせ、今までしてきたことが単純に狂気であって、医療ではないと気付かせてくれればいいが。
その致命的な破壊的効果にも拘わらず、化学療法と放射線療法が、癌やその他の深刻な病気の患者に使われてきた。そして、世界中の医療システムでその使用が終わる兆しは無い。もし、これらの患者の治療にヘンプオイル(大麻精油)のような合理的で効果的、かつ安全な代替物が無いのならば、医療システムがしてきたことは許される余地がある。しかし生憎、現在の医療システムで働く者に弁明の余地はない。我々が有する今日の医療システムは、治癒と呼べる代物ではない。巨大金融資本が大麻の医療的使用を地球上のほとんどの人間に禁止し、否定してきた。そうすることで、彼らは極端に高価な化学物質や毒物を、我々に売りつけることを可能としたのだ。
大麻が安全であるという記述は、他の物質とは比べようもないほど存在し、薬としての使用の歴史は多岐に渡り遡ることができる。この事実からだけも、我々が信用するように教えられてきた政府や医師達に、いかに情報操作されてきたか明らかなのだが、これに加え、薬用種の大麻からとれる抽出物は、人類が知る最も薬用活性の高い物質であり、これ無しに医療を実践することは、合理的な考え方に真っ向から反するものと言える。もし、これらの抽出物の医学的使用を制限し続けるならば、苦痛を軽減する医療システムが、現実には存在していない、と言わざるを得ない。このような状況下では、深刻な医学的問題を抱えた患者達は苦しみ続け、無用の死を遂げる。その間に、製薬会社とその株主は金の穂を収穫する。このことに対して、私という一個人が、全人類に直接訴えかけることはできないが、大多数の人は、彼らがしていることに我慢の限界を感じ、この茶番を終わらせるため、私や他の大勢の意志ある者に賛同してくれることだろう。
信用してはならない人種のもう一つの良い例は、現代の法執行機関で働くほとんどの人間である。私が若いころ、この分野で働く人間は友達であると教えられた。多分『ガンスモーク』のディロン保安官は、公平な正義の味方だったのだろう。だが、今日我々が関わる法執行機関の役人の多くは、明らかにそうとは言い難い。現在、我々が接する警察官は、親切心や思いやりをほとんど持ち合わせておらず、ほとんどの場合、彼らは銃を持った不快なサディストである。当然彼らの言動は、民衆が恐怖の中に住むことを望む政府の要望に応えるものであり、その目標達成のために、我々の社会ではこのような人物が、警察に採用されているのである。私が最後にその職務に相応しいと思える警官に会ったのは1962年で、それ以降法執行機関に働く人間で、彼の様な度量のある人間と接したことがない。
この数年で警察と関わった経験を思い出して欲しい。彼らは自分達の役割をよく果たし、尊敬に値する人間だっただろうか?我々のほとんどは口々に「ノー」と言うだろう。我々はこれらの警官達に対して、寛容である必要など全くない、さらに不愉快なことに、彼らの給料を税金で支払っているのは我々なのだ。前述したように、社会的信頼のある地位にある人間の多くが不合理な言動をし、実際には金持ちや権力者の馬鹿げた計画に基づく、人道に対する政府の犯罪に加担している。彼らは自分達のしていることが、完全に誤りだったと認めることはできないし、そうする気もないだろう。そんなことをすれば、膨らんできた自身とその職業に対して、自分達が抱いているイメージが脆くも崩れ去ってしまうから。こんな状態でも我々は、良い市民として彼らが遂行している素晴らしい仕事に対し、無限の敬意を払い賞賛を与えるべきで、そのモチベーションの高さに疑問を呈するなど以ての外だとされている。
彼らに責任のあるおぞましい行為に対して、我々が声を上げると、我々は問題人物であると看做される。また、彼らのありのままを看破する人々は、頭のおかしい陰謀論者としての誹りを受ける。「陰謀など存在しない」と発言する者達は、それが真実でないからそう言っているのであって、彼らは単に自分達の計画をこれらの主張で覆い隠しているだけなのだ。合理的人間であれば、我々が住むこの世界を見て、誰も私たちの幸福に対して、陰謀を企てていないとは言えないはずだ。現実にもし主張が正しいなら、なぜ世界はこんなに汚染されてしまっているのだろう?その原因は我々にあるのだろうか、それとも、国際金融資本に押し付けられた利益追求型の政策によるものなのか?もしあなたが、この世界で起こっていることが、正しくないと認識しているのであれば、この本を読み進めて頂きたい、ここに現実世界の真理を明らかにしてみせよう。この本の内容を理解していただければ、ほとんどの読者は、私と同じ結論に達するだろう。実際、我々はこの不快で歪な現実に生きることを強いられている。そしてこの現状は我々の同胞によって作られ、彼らは我々の苦痛から利益を得ているのだ。
私は今までどんな人間が世界を動かしているかを、よく調べてきたが、私の関心は他のところにもある。私は大麻の真実に偶然触れることとなり、今ではほとんどの時間を、この驚くべき医学的事実に対して、一般市民の関心を集めることに費やしている。読者の多くは、こんなことは医師に対して証明すればいいのに、と思われるかもしれない。しかしながら、私はとっくの昔に、彼らに何かを証明するのを諦めてしまったし、彼らが何を考えてようとどうでもいい。私が言っていることが真実だと、医療システムで働く人間達に、どうやって認めさせたらいいというのだ。彼らの最大の関心事が真理を無視することだと明白なときに。また、この問題に関する権威筋の多くの人間達と接したが、彼らは全く何もしなかった。このことから政府とその支配下にある機関にも、同様のことが言える。この件に関して適切な反応ができないことからも、彼らの嘘と誤魔化しは疑いようがない。人々に信頼されるこれらの人々が、本当はずっと我々を騙してきたのだ。そこで私は、これについて今まで学んできたことを、白日の下に晒したいと思う。誰も踏み出そうとせず、人間としての権利を守ろうとしない現状において、全ての意味において変化が必要であるという私の信念を披露しよう。
私がここで触れてきた職業に従事している大多数は、彼らの倫理について私が書くことを、快く思わないだろうが、我々人間が救うに足る種族に進化するためには、真実が語られなければならない。もし現実に何もなされなければ、我々は歪んだ論理感覚によって全世界を感染させるウィルスに過ぎなくなってしまう。当初、私の目標は医療システムのしていることに、説明責任を果たさせることだった。しかし、次第に医師達が道を踏み外しているだけではなく、私達の社会に大きな欠陥があることに気が付きはじめ、終いには、我々を奴隷化しておきたい者達によって作られたプロパガンダや虚偽が、全ての生活様式の基礎となっているという認識に至った。これは人類がとるべき進路ではなく、もし進み続ければ破滅をもたらすだろうことが一目瞭然だ。
1997年に頭を怪我してからというもの、私は医療システムにおいて暗澹たる時間を過ごし、遂には適切な治療を受けていないことが判明した。彼らの治療で処方された薬と怪我のダメージで、ハッキリと考えることすら不可能になった。当時、私が抱えていた大きな問題の一つは高血圧だったが、おかしなことに、5年間誰一人として血圧をコントロールする薬を処方した医者はいなかった。今になってみれば、彼らは皆、ただ座って私の血管が破裂するのを待っているかのようだったが、当時私は精神的に酷い状態だったため、彼らが何をしているのかさえ、よく分かっていなかった。一人の医師に放置されるだけでも十分酷いことなのに、私がかかった医師の中で誰一人として、血圧の薬を飲むように指示を出さなかったのだ。私は、彼らがしていることは医学の実践ではなく、私が死ぬのをただ待っているだけのことだったのだと確信している。
実際、もしあなたが、または他の誰であろうとも、私と同じ状態であったら、ほとんどの医師達は多分同じことをするだろう。医師はヒーラーであるべきだが、我々のほとんどは自動車整備工から医学的アドバイスを受けた方がましであることを、彼ら自身が明白にしている。私のケースでは、彼らは私の精神的機能が、適切に働いていなかったことを知っていたのだから、彼らのしたことには本当に悪意があったと言わねばならない。我々はこれらの人々の手に命を預けるのだから、彼らが提供するサービスを念入りに審査すべきである。こう言うと、極論に聞こえるかもしれないが、彼らがしていることは大量殺人だと言っても過言ではない。私の見方では、これはあながち根拠のないことではなく、私が体験したことを読んでいただければ、あなたも同じように感じるはずである。そしてこれは、医師だけの話ではなく、政府の支配下にある全てのシステムについて同様なのだ。
我々が尊敬するよう教えられてきた、これらの地位にいる人間は、どんな意味においても信頼に値しない。だが、システムを信じるようにプログラムされてきたのは、全て彼ら自身の落ち度だというのは余りにも酷かもしれない。これらの職業の人々が長い間、事実を否定してきたことは確実ではあるが、同じことが我々自身にも言えないだろうか?私はシステムが公衆の要求を無視し続けるのでなければ、報復のために犯人捜しをするのは目的を逸脱していると考えている。最終的には、人間の心はか弱く、操作されやすい存在である、という事実を認めなければならないのだろう。
もし理知的にことを行えば、流血の事態は避けられるだろうし、堅固な人間性の土台を築いて、新たな門出を迎えることができるだろう。私には、現在我々の置かれている状況が、インドと全世界の人々に、受動的抵抗を説いたガンジーのそれと、どこかで重なっているように見える。私達は、ただ個として立ち上がり、人類はもはや狂気のシステムとは決別するのだと、彼らに知らしめるだけでいい。心配性の人達のためにも、この方法が成功することが切望されるのだが、そうでなければ、我々自身と、我々の運命を決定する権利を有していると考える輩との間に、恐ろしい戦いを見ることになるだろう。
もし、現在の支配者達が態度を変えるのを拒み、その狂気を続けようとするのであれば、それを終わらせるために、民衆は暴力に頼らざるを得ない。できれば避けたいことではあるのだが。現在までの人類の歴史は、暴力が何も解決しないことを教えてくれているし。たが、それが自分達を守る、最後の手段であることは確かだ。私の考えでは、これから近い将来に起こることは、人類に対してこの深い悲しみを強いてきた者達の、反応いかんにかかっている。もし現在の支配者達が我々と協働するならば、皆が健康で幸福な、より良い世界を築くことができるだろう。しかし、彼らがそうしないなら、クリント・イーストウッドの映画の台詞が待っている「地獄が呼んでるぜ」。
超富裕層は我々が夢にも思わないような科学技術にアクセスできる。もし、彼らが恐怖を感じたら、その恐怖は全ての人類の上に、等しく降りかかってくることになるだろう。これらの億万長者達は、果たして地球上に住む人類の大半を滅ぼすパンデミックを起こすほど、冷酷なのだろうか?現在進行している事態から判断すると、有り得ないことではない。もし、なにか異常事態が起こった時は、多分トップ銀行の一族が関わっているに違いない。ロスチャイルド、ロックフェラー、ウォーバーグ、モルガン、ハンブロス、ラザール、エランジェ、フー、シュローダー、セリグマン、スペヤー、マレ、ミラボーなど、他にも存在するが、もし、彼らが破滅をもたらそうとするならば、最低限彼らにも同じ目にあってもらうしかない。
私はこんな終わりがくることを望まないが、もし大富豪達がどうしてもそうしたいなら、彼らはその報いを受けるだろう。我々の多くが斃れるだろうが、我々自身を彼らとその支配から永遠に解放するだろう。大富豪達が麻痺させてきた沢山の人々が今や目覚めている。そして、ライフルをどこに向ければいいか知っているのだ。我々はいつまでも、キリストの言うように、左の頬を差し出してばかりはいない、もし億万長者達が暴力と破壊を望むなら、彼らはそれを得るだろう。ただし、そのうちの大部分が、彼ら自身と彼らの家族に向けられることになる。私は新しい時代の幕開けがこんなふうに始まるのを望まないが、もし金持ち達が望むなら、茨の道を歩むしかない。あとは彼らの選択次第だ。
システムに信念を持っている多くの人間は、この本を読み進めるにつれ、それが打ち砕かれてしまうだろうし、ときに、こんなことが本当に起こったとは、信じられないかもしれない。それでも、これから読んでいただく、この「薬」についての記述は、私が可能な限り仔細に記憶を辿ったものであり、嘘偽りのない真実である。読者が事実を自分自身の目で見たならば、必要な証拠は全てここに揃っていることがわかるだろう。あなたが学んでいることがあなたを助け、私が体験した悪夢を避けられますように。これが、あなたとあなたの愛する人にとって、大きな利益となることは間違いない。知識は力である。事実を集めて武装し、皆にとって、この世界がより良いものとなるよう共に歩もう。
献呈
私が人生を共にした最も大切な3人にこの本を捧げる。悲しいかな、この素晴らしい人達のうち二人は既にこの世にいないから、私が書いたものを彼らの思い出に捧げることにする。私はここに、父と母そして偉大なる故ジャック・ヘラーを讃える。両親は私を理性的で憐みのある人間に育て、導いてくれた。そして、ジャック・ヘラーは全ての人の利益になるように、この世界をいかに変えていくか、そのために必要とされる知識を私に授けてくれた。
リック・シンプソン、2012年6月
この本に対して私がなした貢献を、父と亡き母の思い出に捧げる。今知っていることを当時知っていたら、きっとまだ一緒にいられただろう。それが私の家族が耐え忍ばなければならなかったことを、他の家族に起こさないようにしてくれることを願って。
イェンツェフ・バイヤル、2012年6月
はじめに
この本を読むにあたって、理解しておく必要のある基本事項がいくつか存在する。そのため、以下の情報にすこし時間を割いていただきたい。
1) 最近の健康食品店などで手に入るオイルは、ヘンプオイル(大麻精油)ではなくヘンプシードオイル(麻実油)である。これは大きな誤解の元となっているのだが、確かにヘンプシードオイルは健康に良い、しかしこれは樹脂の多い品種の、高品質な大麻草本体から抽出された物質が持つ治癒能力を有していない。私がこの薬を供給しはじめてからしばらくして、ヘンプシードオイルの販売業者から、私のこの物質に対するネーミングに対してクレームが付き始め、なかには彼らの産業に大打撃を与えていると言い出す者さえいた。私にはそんなつもりは無かったのだが、そもそもなぜ大麻草の精油(エッセンシャルオイル)が癌を治すということで、彼らのビジネスが侵害されるのかさっぱりわからない。歴史を通じて、この植物を育てる農家はこれをヘンプ(大麻)と呼んできたし、様々な種類のヘンプから精油を精製してきたので、私も自然とヘンプオイルと呼んできた。なぜ私の用語が、ヘンプシードオイル製造者のビジネスに打撃を与えるのか解せないが、少なくとも、これにより彼らが製造しているものに注目が集まり、売上が伸びることを期待している。
ここで一番問題なのは、彼らがラベルを貼り間違えているということであって、何故彼らが事実に基づいて、彼らの油をヘンプシードオイルと呼ばないのか不明である。麻製品(ヘンププロダクツ)の業者が私に寄越すこの種のクレームは、単に時間の無駄以外の何物でもない。この植物から製品を作っている人間は誰であろうとも、自分のしていることに誇りを持つべきだ。全人類の利益となり、地球にやさしい産業なのだから。むしろ、この植物に可能な全ての用途の使用について、皆で立ち上がって支援するべきだろう。今大事なことは、全ての人がこの植物を、自分達が選んだ使用法で使える権利を得ることであり、早ければ早いほど、苦しまなければならない人間は少なくなる。もはやナンセンスや出鱈目に付き合っている暇はない。もし、全ての形ある命に未来をもたらしたいのであれば、我々は自身と地球を癒し始めなければならないのだ。
2) この本のなかで、ポット、グラス(草)、ヘンプ(麻)、マリファナ、カナビスヘンプ、産業用大麻、カナビスインディカ(インディカ種、インド大麻)、カナビスサティバ(サティバ種)などの用語を目にするだろう。これら全ては大麻草、またはその産物である葉っぱ、バッツ(花穂)を表現している。プラントに樹脂がほとんど存在しない産業用大麻と規定されている品種にも、薬用効果があると証明されているものが少なからず存在するようだ。将来的に、適切に研究がなされれば、これらの低樹脂品種からも、いくつかの病気の治療に有効なオイルを産することが可能かもしれない。そうだとしても、今現在、この植物がもつ薬効の全貌を明らかにすることが切望されており、ぐずぐずせずに、今すぐ治療を始めない理由は無い。
現在、数百種に及ぶ強力な医療用品種が存在しており、調べればあなたの状態にピッタリなものを見つけることが可能である。これらの医療品種の中には奇抜な名前の物もあるが、だからといってたじろがないで頂きたい。種子会社が提供している情報を見て頂ければ、それぞれの品種にどのような治療効果があるか確認できる。もし、医療目的で自ら栽培するのであれば、多少の困難はあるが、自分にピッタリな品種を見つける必要がある。莫大な数の様々な品種が存在し、それらの薬用効果の遺伝的特性にはかなりの差異がある。じっくりと時間をかけて、注意深く調べて頂きたい。この問題について理解が深まれば、政府などが提供してきた情報が、実際には根拠がなく、さらには、我々を誤解させたままにしておこうとする、完全なデマであることに気付くだろう。この本の終章には服用方法が、巻末には正しいオイル製造法が、それぞれ記載されている。また、これらの情報は我々のホームページwww.phoenixtears.caにも掲載されている。